Boost C++をチューンアップする最先端ライブラリ という本を読んでみましたので、感想を書いておきます。
本書は、Boostの中から良く使われるライブラリを選び、内部の仕組みまで軽く踏み込んだ解説をしています。
登場するのはSmart_ptr、Any、Tuple、Bind、Functionなど12のライブラリです。
Boostのライブラリは使って便利なものであるのですが、C++のテンプレートを深く使いこなしている貴重な教本でもあるため、その仕組みはC++を使う人にはとても参考になると思います。
しかしながらBoostのソースコードは難解であり、自分のようなヘタレには読みこなせる代物ではないので、こうした解説本は大変ありがたいものでした。
面白かったのは、Any、Bind、Functionです。テンプレートの活用っぷりが凄いです。
特にFunctionは今まで中身を想像できなかったので、勉強になりました。
仮想関数とオーバーロードを上手い具合に使っているのですね。
本書は、Boostの中身に興味があっても、ソースコードを読みこなせる所まで行けない方にお勧めです。
知的好奇心の一部を満たしてくれるのではないかと思います。
内部の仕組みが分かれば性能課題も分かるので、Boostを使うべきかどうかの判断もできるようになります。
実用的な一冊でもあると思います。