リアルタイム組込みシステム という本を読みましたので感想を書いておきます。
本書はリアルタイム組込みシステムの基礎、特にマルチタスクについて体系的に取り扱った本です。
OSを使わないマルチタスクの話も結構あって、全449ページ中、セマフォの話が始るのが168ページ目からでした。
つまりセマフォ以前の話にそれだけページ数を費やしているのです。
マルチタスクシステムの開発において、OSを乗せた場合と乗せない場合で何がどう違うのか、大変参考になりました。
またタスク分割のガイドラインも豊富で、すぐに設計に役立てるアドバイスはたくさんありました。
OSを乗せるかどうか悩むような世界の組込みシステムを開発している人にはお勧めの一冊です。
残念な点としては、英国の研究者が書いた本なので、uItronを扱っていないことです。日本の組込みシステム書籍でこれはどうかと思います。
また、難解な用語が多く、読み解くには苦労しました。すんなり読める本ではありません。
ちょっと気合いが必要な本です。