2006年01月08日

フローチャートとUML

最近、ソフトウェア設計のため、フローチャートをたくさん書く機会がありました。
自分で書いて人に説明したり、人の説明を聞いたりして思ったのですが、UMLなどの記述能力が高い記法と違い、フローチャートって難しいですね。

というのも、フローチャートはとても記述能力が低く、ちょっと複雑なことを書こうとすると、あっという間に自分にしか理解できないフローチャートが出来上がってしまうのです。これでは使い物になりません。

そこで、あまり大きくないフローチャートで1つの処理を書き切るようにしたり、矢印を下方向に辿れば一般的な動きになるようにと様々な工夫を行って分かり易くなるよう努力しました。

不思議なもので、こうした努力をしていると、無駄なものがどんどん省かれ、設計も洗練されたものになってきました。

もしフローチャートではなく、UMLなど記述能力が高い記法を使って書いていたら、こうした努力をしようとは考えずに、頭の中で思い描いたものをそのまま書いてそれで終わりにしてしまったかもしれません。たまにはフローチャートで書いてみるのも悪くないですね。

こうした、フローチャートで分かり易くソフトウェアの処理を記述する技術は、複雑な処理をシンプルな処理の組み合わせで表現したり、無駄な処理を省く技術に通じるものがあると思います。これはソフトウェア設計者としては基本的な技術ではないかと思います。

今、多くの会社が新人研修でUMLを教えていると思いますが、それより前に、まずフローチャートで分かり易く記述する技術を習得させるべきではないかと思いました。UMLはそれからにするべきでしょう。機能豊富な道具を最初に与えてしまうと、その道具に頼った技術者になってしまいます。そうした技術者は、活躍できる領域が限定されてしまいますので、脆いのではないかと思います。

投稿者 MASATO : 2006年01月08日 05:21 | トラックバック
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