Heimdallrは、カスタマイズ版Heimdallrが作成できると謳っています(詳しくはカスタマイズ版Heimdallr作成ガイドラインを参照して下さい)。
カスタマイズ版を作るのでしたら、スキンはオリジナルのものにするべきだとは思います。
しかし、Heimdallrで、オリジナルのスキン、特に画像付きのスキンを使おうと思った場合、
UNLHA32.DLLを使う必要があります(実は必ず使う必要はないのですが、使わないとかなり不便なので、使った方が良いでしょう)。
UNLHA32.DLLは、ソフトウェアに同梱する場合は、事前に許可を取る必要があります。
つまり、カスタマイズ版Heimdallrを作成する度に、それにUNLHA32.DLLを同梱してよいかどうか許可を取る必要があります。
これは面倒ですね。もうちょっと緩やかな利用条件を持ったアーカイブ展開ライブラリに切り替えたいところです。
というわけで、いくつかアーカイブ展開ライブラリの同梱に関する利用条件を調べてみました。
まずはHeimdallrでも使っているUNLHA32.DLLから。付属ドキュメント(UNLHA32.TXT)から引用しました。
商用・公用・私用にかかわらず,書籍等への収録やソフトへのバンドルについ ては条件がありますので,必ず事前に連絡をお願いします。企業・団体等での業 務利用や業務用ソフトやオンラインソフトでの使用を前提とした転載等もこれに 含みます。連絡がなかった場合には,しかるべき処置を講じさせていただく場合 があります。
もちろん、Heimdallrは、事前に連絡し、許可を頂いております。
CAB32.DLLの利用条件は以下の通りです。付属ドキュメント(welcome.txt)から引用しました。
転載・雑誌等の付録収録については事前の転載確認が必要です。 たとえフリーソフトウェアであっても、「何をしてもフリー」ということでは 決してありません。このソフトウェアには著作権で保護された権利があり、 著作権をもたない第三者が、その権利を無断で行使することはできません。
ソフトウェアへの同梱はどうなるの?というあたりは明確に書いてなかったので良く分かりません。 しかし、上記の文を読む限りでは、事前の許可は必要なように思えます。
UNZIP32.DLLの利用条件は以下の通りです。付属ドキュメント(UNZIP32.TXT)から引用しました。
公開された場への転載・収録は原則的に無償ですが、特定のメンバー(有償・無償 を問わず)しかアクセス出来ない、あるいは特別な理由(ウィルスに感染してる等) 以外の条件で掲載ソフトを選定している場への転載・収録については、有償のサポー ト契約が必要な場合があります。 パッケージソフトへの同梱等の商用使用に関しては、原則的にライセンス契約が 必要です。
商用ソフトウェアに同梱する場合はライセンス契約が必要のようです。 非商用ソフトウェアの場合は・・・。明記してないので良く分かりません。 でもライセンス契約しておいた方が無難だとは思います。
TAR32.DLLの利用条件は以下の通りです。付属ドキュメント(index.html)から引用しました。
TAR32.DLL Version 2.xは基本的にPublic Domain Softwareとして配布、改造、ソース等の一部利用など自由に行ってください。ただし、ZLIB及びlibbzip2を用いていますので、この部分についてはそれぞれの利用条件に従ってください。また、義務ではありませんが、ソースを改良した場合はその変更をオリジナルにも反映させるためなるべく変更点を教えてください。
ZLIBの利用条件は・・・。
ええと、TAR32.DLLを使う限り、変なこと(ZLIBは私が作ったと言い出すとか)をしなければ何もしなくて良いような感じの利用条件になってます。
libbzip2の利用条件は・・・。
これも、TAR32.DLLを使う限り、変なことをしなければ何もしなくても良いような感じの利用条件になってます。
これらを全部合わせると、TAR32.DLLを使うときは、事前許可が必要ないのはもちろん、著作権表記さえ必要ないようです。
これは、とても使いやすい、っていうか使い易過ぎる利用条件です。
UnZipの利用条件は以下の通り。付属ドキュメント(LICENSE)から引用しました。
Redistributions in binary form (compiled executables) must reproduce the above copyright notice, definition, disclaimer, and this list of conditions in documentation and/or other materials provided with the distribution.
the above copyright noticeは(たぶん)以下の通り。
Copyright (c) 1990-2005 Info-ZIP. All rights reserved.
DLLファイル名がUNZIP32.DLLなので上記UNZIP32.DLLと間違えやすいですが別物です。 事前に許可を頂く必要がないのでとても使いやすい利用条件になっています。 英語の壁を突破できる方にはお勧めです。
ところでこのライブラリってzipファイル展開用のライブラリですよね? お勧めしておいてなんですが、使ったことが無いので良く分からないのです。
さて、5つほど利用条件を調べたところ色々なものがありましたので、 そろそろ結論が出せそうです。
まず、どんな利用条件であれば良いのか、もうちょっと考えてみます。
最初に述べたとおり、事前連絡が必要だとカスタマイズ版Heimdallrを作る度に連絡が必要になるので面倒です。 他の人に作ってもらうときにも障害になるでしょう。というわけで、事前連絡必要なしが望ましいです。
付属ドキュメントに著作権表記の追加が必要になるような利用条件はどうでしょう。 これは全然問題なさそうです。私がドキュメントをちょっと整備すれば、それ以降はそのドキュメントを使いまわすだけで済みますし。
商用利用する場合に色々と契約が必要になるような利用条件はどうでしょう。 カスタマイズ版Heimdallrは商用利用も考えているので、商用利用するときに色々と問題がでてきそうな利用条件は避けたいところです。
ソースコードの公開が必要になるような利用条件はどうでしょう(ソースコードの公開が必要な利用条件は今回調べたものにはありませんが)。 ソースコードの公開は、とても面倒です。 ソースコード再配布禁止のライブラリや、暗号化の鍵など、公開しても問題があるものが含まれてないかどうか、精査する必要がありますし、含まれていれば、それを取り除く必要があります。これは、大変な作業です。
こうしたことを考慮すると、TAR32.DLLまたはUnZipが良さそうです。
後は、ライブラリの機能(圧縮データをメモリに展開できるか、など)を考慮して決める予定です。