2004年08月01日

MicroSoftには、収集しているエラー情報を開発者まで届けて欲しい

ソフトウェアの品質問題が叫ばれる今の世の中、フリーソフトの品質向上について考えてみました。

フリーソフトは開発にあまりお金がかけられないため、基本的なテストのみを行って公開し、利用者からのエラー報告を受けてバグを修正して品質を向上させていくアプローチがよく用いられています。
そういうわけで、今のところ、フリーソフトの品質の生命線は、利用者からのエラー報告なのです。

このサイトにコメントを頂いている方々のエラー報告は詳しい報告が多く、助かっているのですが、他所のサイトで、時々こんなようなエラー報告を見ることがあります。
「今日○○というソフトを使ってみましたが、××してみるとなんか動きません。他のソフトを探すことにします。」(内容は架空のものです。)

一応これもエラー報告ではあるのですが、残念ながらこれを元にバグを見つけることはまずできません。

ソフトウェアのバグを見つけるにあたり、重要になるのが、開発者の環境でエラーを再現できるかどうかです。
開発者の環境で簡単にエラーを発生させることができれば、もうバグは修正されたも同然です。

というわけで、上記のようなエラー報告を見ると、それを再現させるため、報告にあった通りの操作をしてみます。
ここでエラーが再現できれば良いのですが、再現できなかった場合、迷宮入りになります。

詳しく聞きたくても、相手は開発サイトであるここにコメントを書いているわけではなく、自分のサイトで自分がやったことを書いているだけです。
そこに乗り込んであれこれ聞き出すのも失礼でしょう。

開発者としては、エラー報告は品質の生命線なので、詳しいエラー報告が欲しいなぁと思いますが、利用者として考えるとそんな面倒なことはあまりしたくありません。

詳しいエラー報告を作成するのは結構手間がかかります。その上、エラー報告をしても問題が解決するとは限りません。開発者がバグ修正版を公開するまで待つ必要があります。
私自身、普段使用しているソフトでエラーが発生しても、開発者にエラー報告を行うことはあまりありません。
手間暇かけてエラー報告を行うよりは、他のソフトを使うなり、運用でエラーを避けることを選択するわけです。

そんなわけで開発者と利用者の間にはエラーに対する考えの違いがあって、エラー報告を頼りに品質を向上させていくというアプローチはなかなか上手く機能しません。

しかし、もしここに簡単に詳細なエラー報告を行うことができる仕組みがあれば、
問題は一気に解決します。

そんな魔法ような仕組みがあるのか。
あるようなんです。

これがそうです。
「Microsoft オンライン クラッシュ ダンプ解析サービス」
アプリケーションが強制終了したとき、動作環境(OS/CPU等)、強制終了したときのレジスタやメモリの値等の、様々なエラー情報をサーバまで送信するサービスです。これらの情報は、開発者からしてみると涎が垂れるほど貴重な情報です。
しかし、残念ながら誰もが自由に使えるサービスというわけではありません。
エラー情報を収集できるのはMicroSoftだけです。

MicroSoftは、MicroSoft製品のエラー情報を収集するためにこのサービスを行っているのだとは思いますが、MicroSoft製品に限らず、Windows用アプリケーション全般の品質を向上させることができるサービスだと思うので、ぜひ一般に開放して欲しいものです。

Windows用アプリケーションの品質が向上するのはMicroSoftにとっても利益があると思います。
一般の方々は、Windowsアプリケーションが魅力的だからWindowsを使っているのですから、Windowsアプリケーションがより魅力的になれば、Windowsもますます売れるのではないかと思います。

一般に開放するにあたってプライバシーの問題など色々あるので難しそうですが、
自社利益に結びつくのでそこはなんとか解決し、是非ともエラー情報を開発者まで届けて欲しいと願います。

投稿者 MASATO : 2004年08月01日 14:37 | トラックバック
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